女性が来てくれない広島県―広島がざわつく「3年連続転出超過No.1」を深ぼるシリーズ
広島、愛知、兵庫、福島...と続いておりますね。

広島のダントツぶりはなかなかのものですが、愛知、兵庫、が続くということは、ははーん、もともと人口の多い県は数字も大きく出ちゃうのだなと察せられます。だったら各県それぞれの人口比で考えないとフェアでないですね。早速人口比を取ってみると...

おっと、広島よりも成績の悪い県がある!長崎、青森、福井。これらは人口がそれほど大きくないにも関わらず、広島以上に勢いよく減少中ということか。特に不穏な気配のするのは長崎。男女差が激しい。どうした長崎。
女性が沢山出てゆき、そして入って来ない長崎...
具体的に長崎の、転入、転出の数字をみてみましょう。

まず転出。男女比が1.17と低めというのは裏を返せば女性もどんどん出ていっているという意味ですね。さきに、広島でも「女性ではなく男性のほうが多く転出している」という話をしましたが、実際は日本全国1つの例外もなく、女性より男性のほうが転出しています。だから長崎でも男性が多く転出しているには違いないんだけど、世の中平均的にあまり出ていかないはずの女性も長崎ではどんどん転出してしまっている、ということになります。
次に転入。転入してくる女性も少ないですね長崎。男女比が1.43ですがこちらは逆に比率が大きいほど女性が来ない、という意味になる。つまり長崎は、女性がたくさん出ていき、そして女性があまり来てくれないっていうコンボ状態なんですね(泣)ついには対人口比の転出超過ランキングで、広島をおしのけワースト1位になってしまったと、そういう解釈ができます。ちなみに2位の青森もほぼ同様のコンボ技が効いているようですが、青森のほうが若干、女性地元残留度が高い、しかし来てくれる女性は長崎以上に少ない、みたいなことのようです。広島は、女性の転出は長崎ほどではない。
滋賀勝ち組キープの理由は「学生」か?
「転入」が超過の勝ち組都道府県も見ておきましょう。絶対数でなく、人口比でのランキングです。
東京、埼玉、神奈川、がTOP3。東京や大阪は「転入」数の男女比も小さく大都会が女性を吸い寄せている様が浮かびます。長崎から出て行っちゃったあのコは東京に行っちゃたのかな...。
福岡5位にも注目ですね。上記10以内に愛知がないのに福岡が入っているというのが福岡の勢いのすさまじさを感じさせます。
ところで7位の滋賀はなんなんですかね?滋賀絶好調なの?

ここで上表、転出数と転入数も人口比で出し直して上位をじまじまと眺めていると、ランキング上位の都道府県というのはおしなべて「転入」もおおければ「転出」も多い、非常に出入りの激しい都道府県であることがわかります。つまり転入超過は、「転出の抑制」よりも「転入の多さ」で生じさせるのが勝ちパターンなのでしょう。滋賀も、転出はけして少なくない。ただ、なんとかトントンで転入者を獲得できている。
ひょっとすると滋賀は、京都(人口あたり学生数全国1位)のあおりで学生の転入が多いのではないか?と思いついて調べてみると、人口あたり学生数で滋賀は全国7位でした。これはなかなかのポテンシャルを秘めているのでは!
やはり学生の青田刈りを考えるのが正しい気がしてきます。
流出しているのではなく、流入していないのである
もう1度広島の数字を引っ張り出して滋賀の下に並べてみるとよくわかりますが、やはり広島は「転入」が少ないんですよ。人口規模に対して。

「転出超過」という言葉が先行するとどうしても「流出が多い」というイメージが先に想起されてしまいますが、流出だったら広島より東京のほうが断然多い。滋賀だって多い。流出が多いんじゃない、流入が少ないんだっていうのが広島の問題の本質なのですね。
ここで前の方で、一旦見なかったことにした(笑)広島県庁ホームページ掲載の、年代別の転出入データ(令和5年)を見てみましょう。これは日本人だけをカウントしているようで、若干総務省の数字とは違いますが、傾向は大きくは変わらないと思われます。
30
代後半以降、転出入トントンな様子ですが、20~24歳の転出超過ぶりが強烈ですね。さらに性別にした統計は見つけられなかったのですが、女性の転入が男性より少ないのはこれまでの考察から想像がつきます。やはりこの世代の「転出」をどうにか抑えようとするのでなく、「転入」をどう増やすか、そしてとくに女性にどれだけ来てもらえるか、そこが鍵になるでしょう。
最後に、重要なので繰り返しますが、「転出超過」という言葉は、直感的な響きとして「転出がすごい多い」みたいに捉えられがちですが違います。転入の少なさでも起こる現象です。プラス(転入)とマイナス(転出)の内訳がどうかなのをしっかり見定めて両方の推移をウォッチしていないと本質はなにも見えてきません。
今回はここまで!
(担当:阿部倫子)
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