松本:
弊社にご相談いただいた当時の経緯を教えてください。
八巻様:
一社最大2億円の助成制度は、コロナに対応しようと思って補正予算で即座に作った期間限定の制度でしたので、なるべく早く多くの方に知ってほしい。そうなると制作期間も限られる。こういった状況を汲み取って進行してくれるような会社さんを探していました。 そうしたところ庁内から、思っていることの一歩先の提案をいただける評判を聞きつけました。もちろん他社さんも検討はさせていただきましたが、紹介してくれた部署(※)がデジタルマーケティングでは庁内で先行していたので期待はしていました。
※弊社が既にお取り組みさせていただいている他部署(そちらの事例はこちら)
松本:
実際に制作進行する中での印象はいかがでしたか?
八巻様:
こちらからお願いしたのは非常にシンプルで、多くの人に分かりやすく"化粧品1週間お試し"みたいなイメージをお伝えしていました。情報としてはすごく足りていなかったと思うのですが、こちらが思ったこと以上のものをアウトプットしてくれる、言葉にもなっていないものを具現化してくれるコミュニケーションで非常に新鮮でした。助成制度は条件が複雑で、この時はこうで、申請の流れはどうなっていてなど、全部を説明しようとするとどうしても分かりにくい、興味を持ちづらい文章になってしまう。詳しく知るのは次のステップで良いので、まずはランディングページで興味を持ってお問い合わせしてもらいたかったんですよね。
松本:
ランディングページの役割を明確にしていただいたことで方向性が固まり、スピーディーな進行につながったと思います。
八巻様:
本当に短期間でいろいろなハードルを乗り越えていただいたと思っています。
こちらの制度はもともとあったものをベースとして作られているのですが、ネックは"知られていないこと"だなと思っていたんです。数年前から「会社ごと移住」という打ち出しでネットを使ってPRはしていたんですね。当時から"働く"と"暮らす"が近づいている予兆はあって、コロナで一気に動き出した印象で。自分ごと化されていない人たちも多かったんですよね。そこで、より多くの人に知っていただくためにも制度自体を強く目立たせたいと、課内で意識していたんです。
なるほど。ランディングページは課内での評判も良かったと伺っていますが、当初は県庁さんにしては思い切ったページでもあり、どんな反応が返ってくるか心配していました。
ちなみに公開後のお問い合わせのインパクトはいかがでしたか?
八巻様:
公開後からすぐに反響がありましたね。様々な方にTwitterでリツイートしていただき、海外からもお問い合わせがありました。海外で起業されている日本人経営者の方ですね。
10月から3月末までで600件を超える問い合わせにつながっています。それまではあっても月に数件なのに、コロナで部屋に籠もっているにも関わらず多くの新規の企業にオンラインでお会いすることができた。当時はスタッフ総出で面談させていただいてましたね。
松本:
すごいですね、私達としても作った甲斐がありました。
一連のやり取りを経て、弊社のイメージはいかがでしょうか?
八巻様:
とても頼もしいです。こちらのオーダーにそのまま返すのではなく、ご紹介いただいた時のお話のようにこちらの期待の一歩先を出してくれる、解釈してアウトプットしてくれる、目的を共有できている安心感があります。
作りましょう、ではなく、目的を一緒に目指しましょう、という感じです。
松本:
それは非常に嬉しいですね。
その後、ランディングページは閉鎖することなく更新していただきましたね。
八巻様:
あまりにも好評で分かりやすい、顧客への説明時も使いやすいので残してもらうことになりました。そもそもこういった施策でランディングページを設けること自体が珍しいのですが、そういった経緯もあって今回は残すことになりました。今でも移転された企業の皆さんの頭の中に"黄色いページ"として印象が残っているようです(笑)。
松本:
県内投資促進課の今後の展望はいかがでしょうか?
八巻様:
当課の事業は一過性のものではなく、新しい企業に入ってきてもらって、地場の企業も含めて一緒に成長していくということを目的としていますので、ここを推進したいです。
オフィス誘致の施策では、既に100社以上の企業をサポートしました。広島県は"イノベーション立県"を掲げており、既存の県内企業にとってもこういった新たな企業との接触によって刺激を受けて新たな挑戦が始まることを期待しています。
松本:
今後、弊社に期待されることがあればお願いいたします。
八巻様:
御社も広島県に進出してくださいました。レベルの高い企業に新しい要素として地域に加わっていただくことは、広島の企業にとっても刺激になると思います。
広島には、いいモノづくりをしている企業が多いのですが、ここでクラシノさんのPR力、制作力で良い提案をいただけると、企業の情報発信力も変わってくるんじゃないか、面白くなるのではないかと思っています。
松本:
期待に添えるよう、頑張ります!
本日はありがとうございました!