峯:
本案件の背景を教えて下さい。
当時、契約している代理店が管理画面を共有してくれず、また、広告予算によるコミュニケーションの上限を決められていたため、対応スピードに不満があった。マーケット状況による柔軟な運用をしてほしい。という案件でした。
峯:
柔軟な運用とはどういったイメージですか?
大金:
ただ決められた事をこなすだけでなく、市場の変化やクライアントの状況(社内体制)に応じて、適切な提案・施策を実行するようなイメージです。
峯:
なるほど。ちなみに「決められた事をこなすだけ」といった代理店って多いのでしょうか?
大金:
かなり多いです。なのでクライアントの事をよく理解していないケースが多々あると思います。
例えばビジネスモデルだったり、エンドユーザーのニーズなどを把握していなかったりするため、そういった部分が施策の細かな部分(広告文の表現)にも現れてきますね。
峯:
なるほど、確かにそういった代理店は多いかもしれません…。
大金:
なので、しっかりヒアリングしたところ、大きく問題は下記の3つということがわかりました。
①運用戦略のログがない
②広告の評価方法が適切でない
③代理店とのコミュニケーション不足
峯:
なるほど。その中でどのようなアプローチをされたのですか?
大金:
①に関しては、オリジナルの報告レポートを仮説立て、結果、ネクストアクションを言語化し、そのエビデンスとして数字のレポートを送るようにしました。
そうすることで例えば2年前の11月はこの施策を試し、結果どうだったか、広告主様側で確認ができます。
②に関して、アドエビスの計測ツールを導入し、調査したところ媒体計測の重複で実際のCPAよりかなり低く報告されていたことがわかりました。
更に、CV経路を分析し、獲得効率が低く露出を制限していたキーワードが初回接触として、その後CVが多く発生していることもわかりました。
初回接触を評価した広告運用にシフトし、結果獲得が鈍く見えていたリスティング広告の評価を見直し、ツールの利用料を含んで目標CPAを達成しました。
峯:
具体的な数値はどのようなものですか?
大金:
CPA25%削減しました。しかも同予算ではなく、予算を増額したにも関わらずです。
管理画面の共有と、必要であればすぐに会議を設定する運用体制を提示しました。
ただ我々としては当たり前でして、通常通り月一回の定例会議を行いました。
峯:
ありがとうございます!多岐に渡って支援をしていることが分かりました。
大金:
はい、広告運用で溜まったデータは代理店のものではなく、広告主様のものでもあります。
正確に「仮説→結果→仮説」の報告をし、広告主様側で振り返られるような体制を作ることができ、とても喜んでいただけた事例でした。
また、広告の最適な評価と合意形成を行えたことで、単月評価ではなく、先を見据えた運用ができるようになり、結果的に過去最高の出荷数も達成できました。
峯:
すごいですね!最後に今後の展望を教えて下さい。
大金:
現状リスティング広告を始めとした広告運用は、ある程度最適化が進んでいます。ですが更に売上規模を大きくしていくために幅広く最適化を進めていく必要があります。
具体的にはサイト内の改修をして、訪問したユーザーに適切な情報を与えられるような仕組みにする(≒CVR向上)事を考えています。
また、いわゆるコンテンツマーケティングを実施して、これまで接触できていなかったユーザーにもなるべく多く訪問してもらいたいと考えています(≒潜在層・認知層との接触)。
やはり中長期的に見ると、広告以外の軸を作ることが重要ですからね。
峯:
なるほど。目的に沿って最適となる手段を提供するクラシノの強みを提供し続けるわけですね。
今回はありがとうございました!
大金:
ありがとうございました!