【戦略設計と広告施策】検討期間の長い"移住"をターゲットとしたフルファネル型の広告戦略事例

広島県地域政策局 地域力創造課様

業態

移住促進事業,BtoC

KPI

ウェビナー参加者数,会員登録数,移住世帯数

広島県庁にて地域振興施策の企画調整,交流・定住促進対策を行っている部署。広島県を移住先候補として考えている方に、様々なサポートや提案をしており、移住した方のインタビューの発信や、東京での移住イベントなどを企画主催しています。

今回お話いただいた方

hirosima-icon-01-1

広島県 地域力創造課

田代 哲也様

hirosima-icon-02-1

広島県 地域力創造課

森上 陽子様

インタビュアー

hirosima-icon-03

クラシノ株式会社

執行役員/ディレクター

松本 幸典

案件の背景

移住世帯数を増やすためにデジタルマーケティングに着手するものの、WEB上の数値以降のKPIに数値が続いていかないという状況。デジタルマーケティングの設計から組み立て直す形で、プロポーザルを経てクラシノが参加。

施策・戦略

多段的なコミュニケーションを組み立てること、そのフェーズごとに果たすべき広告やコンテンツの役割と機能を分解し、トータルで各KPIの最適化を図るように施策を変更。同時にコロナ禍と重なったことで集客の主戦場はウェビナーへシフトし多くの集客施策に取り組んだ。

結果

初年度から移住世帯数の目標値を達成し、令和3年度においてはNPO法人ふるさと回帰支援センターが取りまとめている移住希望地ランキングにおいて、セミナー部門で全国1位を獲得した。

今回の事例

広島県が県外からの移住促進として行っている事業のデジタルマーケティング支援。これまではリアルな対面やイベント開催を中心に行ってきましたが、コロナ禍もありウェブでの接点作りが重要になってきました。リアルな窓口としては有楽町の交通会館にある移住相談窓口がありそこへの相談者の送客と、LINEを使ったAI移住相談のあびぃちゃんの友だち登録など複数の窓口を設けていましたが、これまでの施策ではなかなか最終的な窓口への接触に至らず、手前の興味ユーザーの集客にとどまっていた状況。


そこでクラシノとしては特定の施策のKPIだけを捉えるのではなく、ユーザーの状態にあわせた前後関係も見据えたフルファネル型の広告戦略を提案し、そこから集客全体を組み立て施策を実行。結果、移住世帯数の目標達成などしっかりと結果につながっています。

 

hiroshima-image

 

これまでの経緯

松本:
地域力創造課での当時までのお取り組みについて教えてください。

田代様:
それまではホームページの運営が主な内容にはなっていました。ホームページにいかにユニークユーザー数を増やしていくか、そこに移住潜在層を取り込んでいくかっていうところがまず前提としてありました。AI相談窓口のあびぃちゃんが出来上がったのもその頃だったかと思います。カスタマージャーニーマップ上の位置付けをして、まずは友だち追加をしていこう、というフェーズでした。

松本:
その頃から既に広告出稿のお取り組みもされていたのでしょうか?

田代様:
令和元年、平成31年に1度デジタルマーケティングを行っていまして、その時は子育て世帯とか趣味向けに絞って、LPを作って、そこからAI移住相談のあびぃちゃんの友だち追加をしていく、ということをやっていました。その施策の目標がLINEの友だち追加数だったんですけど、ユニークユーザーは増えたけど、LINEの友だち追加は少なかったという目標との差が発生していました。広告流入に対して、目標地点までは引っ張ってこれなかったということですね。

森上様:
当時は有楽町でも月に1〜2回と頻繁にセミナーをリアルでやっていて、そこの集客も苦労してましたね。全国いろんな自治体さんもいらっしゃる中で行うので、どうやって差別化して集めようかっていうのが課題でとても苦労してました。当時はチラシを配布するとか、アナログなことをやっていましたね。

hiroshima02-01

クラシノの強み

松本:
プロポーザルを経て弊社とのお取り組みが開始しますが、施策開始後の弊社の印象を教えてください。

田代様:
デジタルマーケティング運営業務の委託会社という認識でいたので、 ここまで突っ込んで聞かれるんだ!という驚きがありましたね。私は前職では求人広告とか出してたので広告業者さんは"こういうの出したいんだ"に対する"こういう案です"っていうの一般的には来るじゃないですか。でも、クラシノさんの場合は"こういうの出したいんだ"に対して"じゃあ、そもそもそれって〜"のところから聞かれるので、それはどこに繋がるの?ってはじめは思ったのですが、施策を進めていくとユーザーがセミナー参加したときに参加することが目的じゃなくて"その先にあるゴールはどこだ"という話になり、それならここにはLINEの連携が必要とか、今持ってるメディアの位置付けはこうするべきではないか、という、なるほどって感心させられることが多かったです。普通の広告業者さんとやり合ってたら、多分出てこないところまで突っ込んでいただいてましたね。

森上様:
そうですね、私も初めてお話を伺ったときは東京で移住相談員をしていたんですけど、最初に今言ったようなお話を聞けて、移住事業自体を私自身が"俯瞰"できるようになったんですね。その視点ができて気づくことがすごく多くて。とても勉強になったと感動して、その当時の課長に"すごいですね!"とメッセージ送ったの覚えてますね。私が思っていたところと、すごく共感できるような話をしてくださってたので、具体的に施策をこうすればいいんだという、腹落ちしたのを覚えています。一緒に伴走してくださって、本当に共感できたっていうイメージでしたね。

hiroshima02-02松本:
我々目線で言うと納品がゴールになりがちなのですが、お客様からするとそこからが始まり。そうなると、結果まで見ないとダメだよね、という想いで取り組んでおりそこの違いがあるかもしれませんね。

田代様:
僕ら側としてもそうですし、次のエンドユーザーというか、実際来てもらう、見てもらう人の側の視点で、これを見たらこういう価値を得られるということまでしっかり考えていただけますよね。
ただ賑やかし的にイベントやります、ではなく、ここに参加したらこれを得ることができる、というところから逆算して様々な施策候補をいただけています。塗り絵の枠をお渡しして色を付けてもらうのではなく、塗り絵の枠から考えてくれる、そんなイメージです。

森上様:
そうですね。全部が繋がっていて、一緒に取り組ませてもらっている私たちもやらないといけないというか、ブラッシュアップしていかないといけない部分が増えて、すごくそこら辺を学ばせてもらってますね。実際、ノウハウが溜まってきていると思います。hiroshima02-04

広島の移住促進のこれから

松本:
昨年度は移住希望地ランキングのセミナー部門で1位を取られました。今後の移住促進への想いはいかがでしょうか?

田代様:
1位を取ったというところにおいての、課内としての""やっと来たか""みたいな安堵感というのはありました。ですが、最終的にはやはり移住者数を増やしたいですよね。

森上様:
そうですね、1位の結果はいい結果なんですけど、それにはやはり課題もついてきますよね。次はその課題を潰していくためにどうするのか。
先日も、インタビューしていたら移住された方が、オンラインセミナーをすごい数広島県がやっていて、コロナで動けないから実際に見に行く手段がなく、その動画を見て地域ですごく生き生きと暮らしている人が、広島県にはたくさんいるんだっていうのに気づいて移住の決心ができたとおっしゃっておられました。
そういった活用を目指して取り組んでいるものではありますけど、今後も新たな手段は積極的に取り入れながら、多くの方に情報を届けていきたいと改めて感じました。

hiroshima02-03松本:
地域力創造課の皆さまは、特に移住に対しての思い入れ、熱量が高い気がしています。

田代様:
はい、課内での熱量の感染力もあってメンバー全員高い意識で取り組んでいます。ただおそらく、直接的にその移住した方からのお話を聞く機会があることが、だいぶモチベーションのアップになっていると思います。
先日インタビューした移住者さんも、有楽町の相談員さん自身が広島を楽しんでいらっしゃったので、移住のきっかけになりましたと仰ってましたね。もう多分きっかけは全て森上さんかもしれませんね笑

森上様:
ほんとですか笑、すごい嬉しいお話ですね!私達の熱量というお話ですが、私の感覚なんですけど、現場をすごく大事にしていることが大きいかもしれませんね。職員皆んながアクティブに動いて、現場へ直接行って地域の人と繋がりを作ったり、コミュニケーションをとったり、そういったところから移住した方々の想いを知って、移住の良さ、広島の良さをより広めていきたいと熱くなるのだと思いますね。ですのでこれからもそういった実体験をしっかりと相談者様にお伝えできるように取り組んでいきたいですね。

松本:
そういった実体験が相談者様にも響いているのですね。ぜひ検討されている方は一度相談に行っていただきたいですね。
本日は貴重なお話ありがとうございました!

目次

関連記事

お役立ち資料
お問い合わせ